bien cuit ビアンキュイ|自作の薪窯で生み出す唯一無二のカンパーニュ(群馬県高崎市)

2025.11.2 訪問

ベーカリー紹介

群馬&栃木パン旅。4店舗目に訪れたのは群馬県・高崎市吉井町にある「bien cuitビアンキュイ)」。近隣の農園で育てられた麦を石臼で挽き、自家製の天然酵母で生地を仕込み、自らが改築した小さな工房の薪窯で焼き上げる個性派ベーカリー。

民家と畑が広がるのどかな地域の一角。カーナビを頼りに細い道を進んでいくと、外に積まれた大量の薪を発見。徒歩だと、上信電鉄・馬庭駅から徒歩で20分ほど。

看板はとても控えめ。屋根に煙突のある平屋の建物。奥に進みます。

玄関。スリッパに履き替えます。思えば何百店舗もパン屋めぐりをしてきましたが、初めての経験。ワクワクしてきました。

店主の田中秀二さん自ら改築したやわらかな自然光が入る店内。レンガ敷きの床に白壁、使い込まれた自作の薪窯。薪窯の中も見せてもらいました。奥行きは1.2mほど。

小麦は近くの秋山農園で有機栽培されている「農林61号」を100%使用。うどんや餅の原料に使われていた、昔ながらの品種です。店主も一緒に栽培に携わり、育てた小麦を石臼で挽き、挽きたての全粒粉を使って生地を仕込む。酵母はルヴァン種とレーズン種の自家製天然酵母。発酵器も手づくり。

棚には、カンパーニュとフルーツとナッツ入りのカンパーニュ、そしてビスケット。この日はフレンチトーストも並んでいました。”自給自足から生まれたパンづくり”。生地と酵母、小麦の力をじっくり味わえるパンを届ける ― そんな姿勢が感じられます。

その日、焼ける分だけ。取り置き分とは別に、テーブルに並んだカンパーニュ。

パンのレビュー

事前に予約しておいたカンパーニュを2種類受け取って横浜の自宅にお持ち帰り。加えてビスケットも。ビスケットはドライブ中に半分食べてしまいましたが。

カンパーニュ(ハーフサイズ)

袋から取り出した瞬間、麦の香りに思わずため息。直径は約 20 cmほど、クラストは薄めで、焼き色はやさしい薄茶。クープの濃い色とのコントラストが美しい。

薄めのクラスト、生地の密度は高く、今まで食べてきたカンパーニュの中でもトップクラス。大きなすだち(気泡)はない。想像していたより酸味はおだやかで、むしろ粉と酵母が醸す穏やかな旨みがふんわりひろがる。水分量は少なめ、粉と酵母の輪郭がくっきりと立っていました。

初日はパンに「若さ」を感じるほど。10日ほどかけて、少しづつスライスしながら熟成していく味の変化を楽しみました。

カンパーニュ(フルーツ・ナッツ入り、ハーフサイズ)

焼き色は明るめの茶色で、窯焼きならではの白〜茶のグラデーション。深いクープからレーズンが顔をのぞかせています。クラストはプレーンよりも厚く歯応えあり。ガリガリ系。中には山ぶどう、いちじく、オレンジピール、くるみ。素朴でしっかりと詰まっている生地。

果実のジューシーさとナッツの香ばしさが、素朴な生地と軽やかな酸味に包まれて、噛むたびに複雑な味わいが顔を出す。日数が経つほどフルーツの甘みとナッツの油分がなじんできて、しっとりと落ち着いた表情になってきました。存在感あるカンパーニュ。

ビスケット

小麦全粒粉と大麦粉のビスケット。甘さはかなり控えめで、キビ糖と菜種油、海塩で仕上げられており、麦の香ばしさを感じます。わずかな苦味もあり、クセになる味わい。

まとめ

自分で作った窯で、自分で育てた小麦を、自分で挽いた粉で焼く。都会のベーカリーにはない、素朴で真摯なパンづくり。パンも、お店の空気も、そして店主の姿勢も――すべてが「素朴」。その素朴さの中に、小麦の旨み、酵母の力、薪窯の熱、作り手の想いがしっかり染み込んでいる。

ゆったりと時間が流れる静かな店内で、店主さんにたくさんお話をうかがうことができました。行ってよかった。パン旅最高。ごちそうさまでした!

電話での事前予約がおすすめです。カンパーニュの販売は10月〜6月のみ。

  • カンパーニュ(ハーフ) 550円
  • カンパーニュ 5種ドライフルーツ・ナッツ入り(ハーフ) 900円
  • 小麦全粒粉のビスケット 70円
  • 大麦粉のビスケット 70円
    ※税込・来店時の価格です

ビアンキュイbien cuit

【住所】群馬県高崎市吉井町小暮590
【電話】080-8706-4677
【営業時間】10:00~16:00
【営業日】土・日(要確認)※カンパーニュの販売は10月〜6月のみ

※記事公開時点の情報です。最新の営業時間・定休日などは来店前にご確認ください

(マコト)

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